2/21 完全なる首長竜の日

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◎図書館で借りた『完全なる首長竜の日』乾緑郎(著) を読む。
この本は第9回『このミス』大賞受賞作。新人とは思えぬ筆力で、導入部分で少女漫画家のリアルな日常が書かれているため、作者の意図する術中に導かれてしまう。おかげで本書で画材屋で売られているマーカーが「コピック」という商品名であることを知る。またイジュ(伊集)に毒があることも知る。
ただ文中で何度かでてくる「胡蝶の夢」のエピソードのせいか、途中で「あーこういう事だな」と気づいてしまう。
少々残念なのは、島の描写というか民俗学的な部分で、細かいことをいうと奄美と沖縄がごちゃごちゃになっている点。例えばキジムナーは奄美ではケンムン。マブイは奄美ではマブリだと思う。