6/22 大江戸釣客伝

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◎図書館で借りた『大江戸釣客伝』(上下)夢枕獏著を読む。舞台は江戸、綱吉の時代。綱吉といえば「生類憐みの令」で有名だが、この本を読むまで、この「生類憐みの令」が135も出され、釣りまでが禁止されていたことに驚く。

日本最古の釣り指南書『何羨録(かせんろく)』を著した津軽采女(つがるうねめ)が主人公であるが、芭蕉の弟子である其角、絵師の英一蝶、そして忠臣蔵で知られる赤穂浪士の討ち入りといった要素がかぶっていて興味深い。

さすがにベテランだけあって、安心して読める。表紙を飾る挿絵が松本大洋なのはちょっと驚き。強いて難をあげれば、文中で登場する魚「もうを」など、現在の何かがわからないものがある。注が欲しいところ。