1/4 シフォンケーキの国内歴史

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◎『きのう何食べた?<11>』を読む。この巻では料理が充実しているなぁ。なんか皆美味しそうだ。

ただ「シロさんちふうシフォンケーキ」には少々疑問がある。それはシロさんが子供の頃に国内でシフォンケーキのレシピが一般的だったかということ。彼を50才、1965年の生まれとすると、12才のときだと1977年となる。話中ではお母さんが「たのしいお菓子づくり」という本を読んでいる回顧シーンがある。

・Wikipediaによれば、シフォンケーキの歴史はこうなる。
米国
1947年考案者レシピ売却
1950年レシピ本出版

日本
「日本にシフォンケーキを広めたのは岩田有司(現・株式会社フレイバーユージ 代表取締役)である。高校時代に留学先のカリフォルニアでホームメイドのシフォンケーキに感動しそのレシピを習得、その後試行錯誤を繰り返し、1976年にオリジナルのレシピを完成させた。フレイバーの出店以降、日本中に普及し、現在ではアメリカ本国よりも日本で最も一般的な洋菓子の1つになっている」

フレイバーの出店を会社の沿革でみると「1991年8月丸栄店出店」となっている。
出版物としては『有名店が教えるシフォンケーキ』岩田有司 (著) 旭屋出版MOOK 2001/8がある。

・国立国会図書館蔵書の検索が出来るので「タイトル」でざっと調べてみる。たどれるのはこの辺まで。やはり国内では1990年代以降からシフォンケーキが一般的になっている感じ。

『パウンドケーキとシフォンケーキ』大川雅子 雄鶏社 1993/11/10
『絶対失敗しないシフォンケーキ』石橋かおり 雄鶏社 1996/1/30
『シフォンケーキ21のバリエーション』下井佳子 文化出版局 1996/11

・ネット検索で以下のサイトで「シフォンケーキ」に関して次の文章を見つける。
https://www.mimoca.org/ja/about/archive/mimoca_news/010/cafe/cafe.html
以下引用:
<80年代初めには日本にも公開され、今ではすっかり定着した感のあるケーキの一つです。>

・ネット検索で作者のインタビューを発見する。
以下引用:
<「よしながさんの思い出のお菓子は?
よしなが「母がパウンド型でシフォンケーキを焼いてくれたんです。レシピも母が工夫してくれて。それで、当時、生クリームが苦手だったわたしのため・・・かどうかはわかりませんが、砂糖でコーティングしてくれて。このレシピは『こどもの体温』というコミックスで使っています」>

作者は1971年生まれだとすると1980年代の話となる。そのため作者の母親がレシピを知っていたことは問題なさそうだ。
ただ1970年代後半であっても「シロさんち」は少々苦しいかなと思う。

という感じで、日本で最初にシフォンケーキのレシピが紹介されたのは、どの媒体でいつ頃という謎は残る。